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コーナーポケット - CornerPocket
山梨・八ヶ岳の自然に囲まれながら、美味しい水や空気をたっぷり閉じ込?
パンは100度ほどの蒸気を使い、窯の中で蒸し焼きにして作る食べ物です。![]()
蒸気の発生源は主にパン生地からになります。生地の水分が蒸気になってパン生地から吹き出し、自身を膨らませながら焼きもします。![]()
自身を焼くほどの熱い蒸気はかなりの力があり、パンの形をボコボコにしかねません。破裂もあります。![]()
それを防いでいるのがクープです。![]()
焼く前の生地に刃物で切れ込みを入ると、そこから蒸気が噴き出て割れ目が開いた模様ができます。あの模様がクープで、高熱の水がパンの中から通った後になります。![]()
長い長い説明になりましたが、パンにとって熱い蒸気がとても大切なものだと知っていただければ嬉しいです。
人間に「100度に温められた空気」を吹き付けると、じわじわ汗をかいて気持ちが良くなります。![]()
100度のインパクトは強いものの、空気は「自分の熱を周囲に与える力」が低いので火傷の心配はありません。![]()
しかし、これが蒸気だと話が変わります。![]()
蒸気は「触れた物に熱を全力で渡そうとする」性質を持ち、人間に当たれば皮膚の温度が瞬時に跳ね上がり大火傷です。![]()
その怖さを知る人といえば消防士さんでしょう。消火に使った水が高温の蒸気になるので、巻き込まれないよう気を付けているそうです。![]()
パンの話なのに余りにも脱線し過ぎたでしょうか。ただこれで「本物の蒸気」と「ただの湯気」の区別が付くようになったと思います。![]()
僕は未だにマイメロをミッフィーと呼んでしまいますし、ポンポンドリームシールも掴まされました。生きるためには、様々な区別がが必要なので大変です。
フランスパンには「中から割れたような模様」があります。これはクープと呼ばれ、パン生地を蒸気によってこんがりと焼くための工夫です。![]()
今回はこの「蒸気で焼く」の説明が長過ぎて困り果てている話になります。![]()
プロが使用するパン窯は強い火力が出ますが、だからといって炎でメラメラとパンを焼いているわけではありません。その火力によって高温になった蒸気でパンを焼いています。![]()
この説明を読んで「確かに蒸気は高温なら紙も燃やせるしね」となる方は少ないのではないでしょうか。![]()
一般生活のご想像する熱い蒸気はラーメンの湯気的なもので、蒸気で火を通すと書いてもコンビニの饅温機(まんおんき)が頭に浮かぶ方も多いはず。![]()
困り果てていたのはこのためで「まず蒸気に対する先入観を壊してからではないとクープやパン窯の説明がスマートに頭に入ってこないだろう…」といった気を使うと文章がみるみる膨れ上がっていきます。![]()
それでも、ここまで書けば「蒸気は想像以上に熱いものらしいぞ…」という気構えも出来たのではないでしょうか。![]()
次回は「パン窯の中で蒸気が何をしているのか」を書きながらパンが焼ける仕組みに触れていきます。![]()
因みに「饅温機」はたった今作った自身の造語です。
タイトルは何かのとんちではなく、そのままの意味です。「パンが食べ物に見えるなんて幸せだな」と感じたのです。![]()
食べ物はある一定の量を超えて目に入ると「無機質な物体」に見えてくることがあるのです。巨大な食品工場で大量の食材や、何千人分の製品を見ていると段々美味しそうに見えなくなってきます。![]()
当店は小さな工房なので脳が麻痺する量は生産しておらず、こうしてパンを撮影しているとお腹が減ります。![]()
業務中にお腹が減るのはちょっと面倒くさいですが、食べ物を食べ物として認識できる有り難さに感謝しながら撮影しています。

